初蝶よまつ毛を赤に染めてみる
液晶を突き抜けここに砂嵐
春霖雨会わなくたってもう平気
コンタクトぐにゅりと潰す花疲れ
言の葉を翳せば姿変える影
やっかみを 包んで煮込む春キャベツ
花篝阿弥陀如来の光る頬
「 」声を攫って花の滝
冴返る無線マウスの腹は青
きらきらとネーブル転げ落ちる坂
はるばるとつむじ眺めに天空橋
春炬燵糖衣を少し舐めて飲む
歌集読む春の付箋紙買い足して
紙風船打てば桂皮の香りくる
目が合うと ぽんかんが溢れてしまう
淡青のトレス用紙を破き夏
鉄塔に展翅されゆく春茜
月あかりを螺鈿の色が変わるまで
ほのひかる貝殻 月に帰してと
すきでした画鋲きらきら君の顔
ハーブ煮る鍋底に春あらし吹く
円満退社鳩時計から鳩が出る
春昼にアスパラガスの湯気光る
三月はキリンもまつ毛まで眠る
春眠を獏の背中に乗ってゆく
遠い比喩引き寄せ白木蓮が咲く
春愁いぽこと鳴かせる水煙草
よく死にたい角を揃えて折る手紙
潜ってもわたしの胸に海はない
シナモンの銀河は香るソイラテに
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